2020年06月26日

アナログプレーヤー 今と昔

 アナログプレーヤー選びで引っかかっているのは、10万円という予算枠である。実際、これ以上出すつもりはないのだが、今の時代にこの予算はあまりに少ないのではないかという思いは少なからずある。
 1970〜80年代のアナログ全盛期なら、10万円でかなり高性能なモデルが存在した。当時はCDすらないし、オーディオも盛り上がっていたから生産数そのものが桁が違う。そして当然物価も違う。今、いちから作ったら2〜3倍くらいの価格では済まないと思われる製品も多い。だから、10万円しか予算がないのであれば、昔の名機を中古で買った方がはるかにクォリティが高いと主張する方も少なくない。僕自身、80年代のオーディオを体験しているだけに、この主張は一理も二理もあると感じる。
 では、今の10万円クラスの製品は買う価値がないのだろうか?数十年の年月分の進歩はないのだろうか?
 今はハイエンドになればなるほど、高解像度を求める方向性が強くなっているように感じるが、これ自体はクォリティとはまた別の問題だ。今と昔では、オーディオの最大の課題の一つである振動の処理に対する考え方が違っているように思う。
 では、具体的にどう違うのだろうか?
 ベテランのオーディオマニアに人たちは、オーディオ機器は重い方が良いと考えている人が多かった。オーディオにとって大敵の振動を、重さで抑え込むという考え方である。
 一方、今は少し違う。重厚長大なものは溜め込む振動エネルギーも大きく、揺れにくい半面、揺れだしたら止まりにくい。そこで、重量で抑え込むよりも、振動エネルギーを逃しやすい、あるいは影響を受けにくい構造を追求する方向性があると思う。レガのプレーヤーはまさにその代表的な例だ。
 昔の国産メーカーは上級モデルになればなるほど大げさなくらい、大きく重い製品が少なくなかった。もちろん、今もそういった製品は少なからずある。しかし、今は上級モデルなのに驚くくらいコンパクトで軽量級のモデルも多々ある。昔では考えにくかったことだ。
 それを考えると、レガやリンは先見性の高いメーカーだと言える。日本のメーカーは小さなところに面白いメーカーが存在する。だが、アナログプレーヤーは開発にコストがかかるのか、小さな日本のメーカーで面白い製品を出しているところを僕は知らない。大手は国内では比較的無難にまとめている印象がある。今までの積み重ねもあるから、品質そのものは落ちてないと思う。しかし、生産量の桁が違うから、今は明らかにコスパが悪い。そんな中、オーディオテクニカは、今までの積み重ねをうまく生かしながらさりげなく新しいもの(考え)を取り入れているようにも見え、実はダークホース的な存在ではないかと睨んでいる。
posted by 坂本竜男 at 16:56| Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ

アナログプレーヤー選び 〜使い勝手とカートリッジで考える

 できればポイント還元が終了する前に導入したいと考えているアナログプレーヤー。しかし、レガ Planar 3とオーディオテクニカAT-LP7の2機種に絞ったまでは良かったが、それからが決めきれないでいる。どちらも、それぞれの良さが明確にあるからだ。そこで、今度は使い勝手とカートリッジの観点で二つのプレーヤーを考えてみたい。

 まず、使い勝手。これはユニバーサルアームを採用し、回転数の変更もダイヤルで簡単にできるAT-LP7の圧勝だろう。MMとMCの切り替えが背面のスイッチになるからその点だけはマイナスだが、それ以外は使いにくそうなところは特にない。載せるだけのダストカバーは意見が分かれるところだが、僕はレコードをかけるときはカバーは外してしまうので(その方が音が良い)、ヒンジなしの方が都合がいいのだ。

 そしてカートリッジ。僕はどちらかというと、カートリッジを色々変えて楽しむタイプではない。ぴったりとハマるカートリッジが決まれば、あとはそれをずっと使い続けたい。僕の場合、所有するモノラル盤も極めて少ないので、モノラルカートリッジも(今は)考える必要がないと思っている。では、それぞれのプレーヤーにぴったりハマるカートリッジはなんなのだろうか?
 レガは高感度のストレートアームだから、設計が新しい現代的なカートリッジが合っているように見える。しかし、実際はデノンDL-103を組み合わせている人も多い。レガのアームは高さ調整をする際にはスペーサーが必要になる。その厚みは2mm。レガのカートリッジは背が低いから、多くのカートリッジはスペーサーを1枚もしくは2枚必要としてしまう。ここがやっかいなところだろう。
 高さ調整の必要がないデフォルトの純正カートリッジは、本体に対して弱いという評価も多いので、純正ならもっと上位クラスのものにしたくなる。本来ならMCカートリッジになるだろう。だが、そうなると予算オーバーだ。
 今の所、Planar 3に良さそうなのはスペーサーの必要がないデノンDL-103だ。この組み合わせで使っているユーザーも多い。だが、DL-103は針圧は重め。レガには本当にベストなのかは疑問が残る。正直なところ、まだ決定打はない感じだ。

 一方、AT-LP7もカートリッジの決定打に欠ける。これはレガと逆の理由である。とりあえずはデフォルトのカートリッジを使うことになるが、基本性能が高いのでどのみちカートリッジは変えるだろう。アームの針圧と使えるカートリッジの重量を考えると、DL-103のようなカートリッジは使えないことはないがベストではないと思われる。だが、アームの高さ調整ができるので、カートリッジの高さはあまり気にしなくてもいい。ターンテーブルのモーターの位置から考えると、レガではハムが出やすいGRADOもターゲットになる。レガよりは選択肢が広いのだ。
 AT-LP7の一番の候補はデフォルトのカートリッジの上位モデルだろう。VMカートリッジになるが、同社のMCカートリッジよりも相性が良いという評価もある。MCカートリッジなら、デノンDL-110が最有力だろう。軽量で高出力。設計は古いが、評価は高い。
 AT-LP7はユニバーサルアームだから、カートリッジ交換も比較的容易だ。カートリッジ交換も楽しみのひとつになる。お金はかかってしまうが、趣味としてはアリだ。将来、モノラル盤が増えた時も、対応が簡単なのも良い。
 
 今の所、使い勝手とカートリッジの二つで考えるとAT-LP7の方が優勢だ。日本メーカーという安心感もある。デザインはPlana 3の方が好きなのは変わらないが、だからといってAT-LP7のデザインが嫌いなわけではない。これはこれで、オーソドックスにうまくまとまった良いデザインだと思う。ただ、発展性があるだけにAT-LP7の方がオーディオの沼にハマる危険性は高い気がしている。
posted by 坂本竜男 at 14:31| Comment(0) | TrackBack(0) | オーディオ
Powered by さくらのブログ