近い将来に導入するカートリッジはデノンDL-103に絞って、アナログシステムのバージョンアップを計画している。だが、DL-103とAT-LP7との相性はどうなのだろうか?
AT-LP7のアームのスペックを改めて見ると、
種別/スタティックバランス式J字型トーンアーム
有効長/247mm
オーバーハング/17mm
最大トラッキングエラー角/2.5°未満
針圧調整範囲/0〜2.5g
使用可能なカートリッジ質量範囲/15〜20g(ヘッドシェルを含む)
とある。これを見ると、使えなくはないがベストではないと思える。
DL-103の重量は8.5g。使えるヘッドシェルは10g程度かそれ以下の軽量級のものに限られてしまう。針圧も2.2〜2.8gだからベストとは言い難い(アームのカウンターウェイトを見ると、3gまでは大丈夫のようだが)。
AT-LP7のアームはどちらかといえば軽量級。どちらかといえば、ハイコンプライアンスのカートリッジの方がマッチングは良さそうではある。DL-103も使えないことはないが、スペックから見る限りベストではなさそう。
だが、半世紀以上にわたり高い性能を維持しながら作り続けられてきたDL-103は、他の製品にはない圧倒的な安心かと信頼感があるのは否めない。今後、長く使っていくカートリッジとしては最良の選択とも言えるのだが、それは適性の合うプレーヤーを前提とした話。調べれば調べるほど、迷いが生じてきている。
DL-103と同じく、日本のMCカートリッジの基準の一つともいえる製品に、オーディオテクニカのAT-33シリーズがある。これも評価が高く、DL-103よりも現代的な音質のようだが、どうもややハイ上がりのようだ。オールマイティでフラットな特性のDL-103の方が、僕が求めるものに合っている。そう言う意味では、同じデノンのDL-301IIも似たようなものなのかもしれない。それなら、以前から気になっていたDL-110の方が面白いのかも。どちらにしても、ロングセラーであるこれらの製品はキチンとリサーチすべきだろう。
この調子では、もうしばらくカートリッジで悩むことになりそうだ。