
先日、正式に発表された中判ミラーレス「GFX 50S II」。GFX 100Sゆずりのボディ&同等の機能を備えつつ、有効画素数を5140万画素に抑え、重量も900gと中判としては軽量に仕上げてきた。とても中判ミラーレスに見えないサイズ感だ。
画像処理エンジンはX-Processor 4。画素数を抑えたことで1ピクセルのサイズが大きくなり、取り込める光量が増えるため、ノイズ低減やダイナミックレンジの面で有利。1億画素の「GFX 100S」のデチューン版というわけではなさそう。もちろん手ぶれ補正(6.5段分)も搭載している。
そして、キットレンズとして「GFX 35-70mm F4.5-5.6 WR」も用意され、沈胴構造にすることで390gという単焦点並みのサイズと重量を実現している。
発売予定日は2021年9月29日、価格は「GFX 50S II」ボディのみで税別45万円、GF35-70mmキットで税別49万9000円。なんと、中判ミラーレスがレンズキットで税別だが50万円を切ってしまうのだ。これはすごい。かなりの衝撃だ。
高性能・高画質になるのは良いが、価格もサイズもどんどん肥大化している35mmフルサイズミラーレスとレンズ。それを嘲笑うかのように、上位フォーマットとしてはびっくりするような低価格と軽量さを実現してきた「GFX 50S II」。富士フイルムの意気込みが強く感じられる。
僕自身は中判やフルサイズはおろか、マイクロフォーサーズで仕事のほとんどは賄えてしまうので、購入する可能性は極めて低い。だが、今の必要以上の高解像度路線はカメラとレンズを大きく重く高価にし、カメラをどんどん一部の人のものだけにしてしまいそう。多くの人へ窓口を広げるための方向性が、いろいろな形でもっと見えてくると面白くなるのだが。