2020年06月15日

スワン・ソング

20.6.152.jpg

 パキスタンの怪人、50歳を前にして1997年に急逝したヌスラット・ファテ・アリ・ハーンのラストアルバム。イスラム教神秘主義スーフィズムにおける儀礼音楽カッワーリーの歌い手だが、僕が最も衝撃を受けた歌い手の一人だ。
 このアルバムはライブアルバムなのだが、スタジオ盤とは違う生々しさと、ロックを思わせる躍動に惹きつけられる。カッワーリーは宗教音楽の一つに入ると思うが、これはもう、完全にロックでありソウルミュージックだ。
 もともと宗教は大事なメディアでもあり、その中で音楽が果たす役割はとてつもなく大きかった。ゴスペルはそのいい例だが、世界のあらゆる宗教でそれは見て取れる。そして、ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンはカッワーリーの素晴らしさを世界に知らしめた偉大なミュージシャンであることを、このアルバムで改めて強く感じるのだ。
posted by 坂本竜男 at 18:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/187599450

この記事へのトラックバック
Powered by さくらのブログ