
実は、発表当時からずっと気になっているカメラがある。それは、シグマdp Quattroシリーズ。高解像度で知られるシグマ独自のFoveon X3 ダイレクトイメージセンサーを搭載した高級コンデジである。
このセンサーはAPS-Cでありながら、その画質はフルサイズに迫ると言われている。とくに解像度の高さは他を圧倒する。APS-Cとは思えない高解像度なのだ。
だが、欠点が多いのも特徴。ISOは100が基本。高感度はすこぶる弱く、ちょっと感度を上げただけでノイズが乗り、画質が落ちてしまう。AFももっさり。液晶画面は今となっては流石に古く、マニュアルでピントを追い込むのは他のカメラと比べて難しい。連写も得意ではないし、シャッタースピードも1/2,000秒止まり。とにかく使い難いカメラなのである。
とはいえ、その画質と独創的で理にかなったデザインは大いに惹かれるものがあり、実は今まで何度となく導入を検討したことがある。ただ、その欠点の多さを受け入れれる自信が持てなくて、導入は見送ってきたのだ。
それが、ま数年ぶりにた気持ちがdp Quattroに向かっているのは、不便でも良いから突き抜けたカメラを使ってみたいという欲望が再燃したからに他ならない。そういう意味ではルミックスは使いやすすぎるのだ。
dp Quattroシリーズは焦点距離で4モデルにわかれている。dp0が14mm(35mm換算で21mm)、dp1が19mm(35mm換算で28mm)、dp2が30mm(35mm換算で45mm)、dp3が50mm(35mm換算で75mm)というラインナップになっている。いずれもズームレンズではなく、単焦点レンズというのも潔い。
dp Quattroシリーズでは風景写真を撮りたいと思っているので、選ぶのならdp0 Quattroだろう。一番広角なのに、一番レンズが長くて大きいが、それでも重量は500g。コンデジとしては大きくやや重めだが、高画質カメラとして考えるとほどよくコンパクトで軽量だ。
現行モデルとはいえ、すでにデビューから6年経っているが、そのおかげもあって中古市場はだいぶ値が下がってきている。Foveonセンサーのデビューにはもってこいのモデルと言える。
問題はこのいくつもの欠点を受け入れ、使いこなせるかどうかだ。以前導入を検討したときも、ここが自分の使い方にあってないと感じて導入を見送った経緯がある。
しかし、使ってみないとわからないことは多い。まぁ、使ってダメなら売れば良いのだ。