
G9 PROのL.モノクロームDで撮った写真がなかなか良い。レンズがパナライカだから、その描写に磨きがかかってさらに良い。でも、なぜモノクロって良いのだろう?
普通のなんでもないカラー写真をモノクロにするだけで、ちょっと良い感じになるというレベルのものも含めて、やっぱりモノクロは良い。それはカラー写真がなかった頃のノスタルジックな感じがするからだろうか?
いや、そう言った写真も多々あるが、洗練されて研ぎ澄まされたようなクールな写真もあるし、色味がないはずなのに豊かな色味を感じる写真もある。同じモノクロでも様々なタイプの魅力ある写真があるのは確かだ。
デジタルの場合、カラーで撮ったものをあとでモノクロに変換するより、最初からモノクロで撮った方が情報量が多いのは間違いない。実際、色の深みがかなり違ってくる。でも、それはモノクロ写真の良さの本質を突いているわけではない。
僕が思うのはカラーに比べて少ない情報量が、その理由の一つになっているのではないかと考えている。引き算による「美」だ。
モノクロームに欠けている情報は、もちろん色情報。全ての色をモノトーンで表現しなければならない。しかしその分、構図や陰影、被写体の造形などが際立つ。そして、足りない色情報は脳内で補う。それは、際立たせたい部分を際立たせながら、色は見る人に委ねるという自由さともとれなくはないだろうか。
もちろん、それだけがモノクロームの魅力ではないはず。多くの人が感じているモノクロの魅力には、いろいろな要素があるはずだ。G9 PROのL.モノクロームDというフォトスタイルで、モノクロを追求していくのも面白いかもしれない。