
LEICA DG SUMMILUX 9mmは軽量コンパクトなこともあって、常にカメラバッグの中に入っている。いざというときに18mm相当の広い画角は重宝するし、その描写の良さも気に入っているからだ。
初めは接写でのハーフマクロ撮影が面白かったのだが、風景写真も思いのほか良い。個人的には、ちょっと絵画的な描写に感じていて、それがとても新鮮なのだ。
このレンズは中央の解像度は絞り開放からかなり高いけれど、隅々まで高解像度というわけではない。だが、パナライカならでの色乗りの良さと線の細さとやわらかさ・しなやかさが相まって、感情移入したくなるような絵画的な描き方をする。それはやさしいとか、あたたかみがあるとかだけでなく、ときにダイナミックになったり、高揚感があったりするのだ。
まぁ、これは僕の思入れが思いのほか強く、自分で勝手にそう感じているだけなのかもしれないが。でも、ちょっとだけ感情を揺さぶられる写真が撮れるような、そんな気にさせてくれるレンズではあるのだ。だから、ついつい持ち出してしまうのである。