しかし、それに甘えてしまって、写真撮影の基本が疎かになっている部分があるようにも感じている。

それを感じさせてくれたのはdp0 quattroの存在である。このカメラはISO100が基本。なのに暗所に弱い。おかげで、ちゃんと手ブレしないようにカメラを脇を締めてしっかり構えることが求められるし、手持ちが厳しい時は三脚は必須だ。しかも、超広角で歪みの小さなレンズゆえに、フレーミングをきちんとしないとつまらない写真になってしまう。写真撮影の基本を問われるようなカメラなのだ。
これは気軽に撮りたいという人には不便なだけかもしれない。しかし、もともとフィルムカメラはそんなものだ。逆にdp quattroシリーズで写真を始めるというのは、基本がしっかり身について良いかもしれないとさえ思う。実際はそんな人はほとんどいないだろうけど。でも、フィルムカメラでもないのに、写真撮影の基本を考えさせられるカメラなんて、すごくいいじゃないか。今のカメラは軒並み便利で高画質・高性能になったけど、それだけが全てではないと思うのだ。