
ピカソ美術館は街中の狭い路地の中にある。


ゲルニカ以前の作品が初期の頃からズラッと並ぶ。そのボリュームは圧巻だ。時代別に展示されている作品は、とても流れが分かりやすく興味深い。天才的に上手いデッサンから破天荒にも思える変化を遂げていくのだが、メチャメチャなようで全体の構成やバランスはむしろ研ぎすまされていく。これは驚異的としか言いようがない。やはりピカソは天才であることを、まざまざと思い知らされた。
ピカソ美術館の凄さは展示されているピカソの作品だけではない。館内の誘導サインやタイポグラフィのレベルの高さは目を見張るものがある。これはミロ美術館にも言えることだが、ピカソ美術館はさらにその上をいく。余計なことをせず、作品を際立たせ、分かりやすく、洗練されていて、カッコいい。おそらく100年経ってもそのカッコ良さはかわらないだろう。僕の目指すデザインのレベルが、ここには普通に当たり前に存在している。なんて素晴らしいのだろう。
今回はタイトなスケジュールだったので、時間を十分に割くことができなかった。もう一度、時間をたっぷりとって、じっくりと観て回りたい。