



個人的にはあまり馴染みがなかったジョアン・ミロだが、改めて作品に触れて、その素晴らしさに脱帽した。
型にはまらないその作風は、バルセロナの街のように自由だ。しかし、好き勝手やっているようで、その構成力、バランスは天才的で、見事な調和を見せる。僕は作品の前で何度ため息をもらしたことか。やはり天才である。
素晴らしいのはミロの作品だけではない。美術館自体も素晴らしい。建物はモダンでユニーク。しかし、必要以上に主張はしない。中に入ると、自然にミロの世界に連れて行ってくれる。
館内の案内などのタイポグラフィも見事。見やすく、分かりやすく、カッコいい。色も基本はモノトーンだし、使う書体もメインは1書体のみ。シンプルで余計なことは何もしていないが、必要なものを全て満たしながら、それ以上の洗練度を見せる。日本の多くの美術館が負けている部分だ。
ミロ美術館は想像を超える素晴らしさだったのだが、これはまだ始まりに過ぎない。さらなる衝撃と感動が、これから続くことになる。